法律の勉強を始めるなら

法律の勉強をきちんとしたい。だけど、いわゆる「受験予備校*1」のいわゆる「入門講座」を取るほどのお金と時間がないのならば、弁護士でLECの講師でもある柴田孝之先生の著書がオススメ(今さら)。最近は、伊藤塾も、「ファーストトラック」シリーズを用いた講義を低価格で展開しているので、こっちを利用してもよいのかもしれない。おっと、これは本題ではないな。いわゆる「予備校」の比較については、また別途エントリしようと思う。


まずは、自由国民社から出版されている「S式生講義入門シリーズ(以下、生講義)」を読むのがよいと思う。この本、表現とか挿絵とか、外観は微妙〜な感じ。失礼ながら、胡散臭い。。なのだが、内容はわかりやすく、非常〜に密度が高い。いわゆる「初心者向け読み物」ではなく、司法試験およびその関連試験*2(以下、司法試験系)や行政書士試験で問われるような内容の「入門」書となっている。「基本六法*3行政法」の7科目が出版されているので、これから司法試験系や行政書士試験にチャレンジする人が、最初に読む本という位置づけなのだろう。


どの科目から手をつけたらよいかというと、柴田先生的には民法からのようだ。実際、生講義では、民法の冒頭に「法学の基礎知識」みたいな解説がある。LECで柴田先生が担当している「入門講座 柴田クラス*4(以下、柴田クラス)」でも、民法から始まる。学習しやすいのに加え、モチベーションが高いうちに、一番重たい科目をやってしまおうという意図もあるらしい。ちなみに、この「柴田クラス」は、1科目につき、講義を2周行う。どういうことかというと、まず、1周目で、基本的な内容について学習する。そして、2周目で、応用的な内容(主に論点*5)について学習する。上記「生講義」は、「柴田クラス」の1周目相当であると考えてよいと思う(「柴田クラス」の受講生が「生講義」を、入門講座1周目の復習に用いているという話もある)。
筆者的にも、民法から始めればよいと思う。「私法の一般法」だからとか、そういう難しいことはわからないのだが、色んな資格試験で出くわすから。司法試験系、司法書士行政書士はもちろん、公務員、不動産鑑定士宅建士、中小企業診断士、法学検定、ビジネス実務法務検定などなど。


そして、うれしいのが、この「生講義」には、次の問題集(以下、1問1答)が連動していること。この問題集自体は、独立して読める内容になっており、特に「生講義」に対応する問題集という体はとっていない。しかし実際は、「柴田クラス」受講後、「生講義」読後の復習にうってつけ。

S式1問1答法律用語問題集

S式1問1答法律用語問題集

なので、「生講義」を読み、「1問1答」をやる。これで、基本的なところはおさえられると思う。


ちなみに、同じ「S式1問1答シリーズ」に、「S式1問1答重要論点問題集」がある。これは、「柴田クラス」の2周目に対応する問題集と考えてよいと思う。こっちは、他に連動する書籍がないので、「柴田クラス」の受講生でなければ、ちょっと使いにくいと思う。


この「S式1問1答シリーズ」は、けっこうなページ数なので、持ち歩くのがけっこう大変。特に、2冊同時となると、カバンがパンパンに。。なので私は、書籍を裁断して、穴をあけて、ルーズリングで綴じている。
穴をあけるのは、カール事務機の「グリッサー」や「ゲージパンチ」がおすすめ。特に「グリッサー」が便利なのだが、A4以外のサイズ(B5やA5など)では、余計な穴まで開いてしまう。なので、B5やA5サイズの場合には、ゲージパンチを使っている。
綴じるのは、「カール事務器株式会社 ルーズリング」がとにかく便利。安くて(バインダーは高い高い)、軽くて。プラスチック製なので、プラモデルのパーツのような感覚で、はさみで好きな長さにカットできる(これは素晴らしいアイデアだと思う)。ただ、作りがシンプルである(悪く言うと、チープである)ことと、開閉に専用のジッパー(といっても、鞍馬の形をした小さなプラスチック)が必要なことから、何度も何度も綴じたり外したりするのであれば、バインダー*6の方が便利。
S式1問1答シリーズ」は、A5サイズよりも一回り小さいんで、このルーズリングでないと、うまく綴じられない。頻繁に開閉することもないし、まさに、ジャストミートな文具。


で、クラフト紙で表紙を作り、色画用紙を遊び紙にして、次のように仕上げてみた。これなら持ち運びも便利。

作って満足、読むのは二の次になっているなぁ。お勉強は、なかなか捗りませぬ。


2015/09/26追記

写真を変更した。そういう気分。


ちなみに、柴田先生の著書は、色々試してみたけど、今は「生講義」+「一問一答」が一番使いやすいと感じている。類書に「S式択一条文問題集シリーズ」があるが、分量が多く(特に、民商)、使いこなすまで至らないと判断し、いったん放置している。いや、たまに使っているわ。六法が見にくいからw
「論文基礎力養成講座」は、ちょっと古いのと、論文対策は別の教材を使っていることから、こちらも放置(なら買うなって?ごもっとも)。
最近発売された「S式短答過去問ナビゲート」は、がっつり利用する予定。柴田先生の「予備試験 短答合格講座」を受講する予定なので。


最後に、ここまで柴田先生を推しておいて、どうかとは思うが、、う〜ん、自分とはあまり相性がよくないようだ(申し訳ございません)。例えば、「入門講座 柴田クラス」は、「レジュメが晴らしい」と思っていながらも、なぜか講義に関しては、あまり頭に入ってこない。特に、学習時間がなかなか取れない身としては、「実務に関する話なんかは、カットしてほしいなぁ。その時間、次にいくか、もう一度同じ説明をしてほしいなぁ」と思ってしまう。さらに、どうも、うまく復習ができない。自分の理解力の低さが、一番の問題なのだが。。おそらく、メモを取り過ぎて、シンプルなレジュメを台無しにしてしまっているのだろう。で、結局「生講義」を読む的なw

*1:有名なところでいけば、WセミナーTACが買収し、今ではTACのブランド)、LEC東京リーガルマインド伊藤塾辰巳法律研究所。加えて、伝統的なスクール東京。さらに、ここのところ、立て続けにベンチャーが立ち上がっていて、とても面白い。元LECの工藤北斗先生が代表を務めるアガルートアカデミー、圧倒的低価格の資格スクエア(元伊藤塾の吉野勲先生など、有名どころが講師をしている)、元辰巳の北出容一先生が中心となって教鞭を振るう実務法務研究会、著名な若手講師陣が競って講座を提供するBEXAなど。

*2:具体的には、司法試験、予備試験、法科大学院入試のこと。

*3:憲法民法、刑法、商法(会社法など)、民事訴訟法、刑事訴訟法のこと。

*4:初学者を対象とした、約300時間の法律の入門講座。基本的には、司法試験系にチャレンジする人たちが、最初に受講する講座。

*5:判例、学説などに対立がある点。

*6:お気に入りのバインダーは「エイチエス マイバインダー」。コンパクトなので、持ち運びに最適。信誠堂さんで購入できる。