応用情報・午後・ストラテジ系を解く(H27春)<解答速報>

先日行われた、平成27年度春の応用情報技術者試験、午後のストラテジ系の問題(問2 ブランド戦略)のみ、解答・解説を記載する。■の後が解答例である。
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2015h27_1/2015h27h_ap_pm_qs.pdf


自分がブランドを苦手としているからか、今回の問題は、やや解きにくい印象だった。そう、ブランドは苦手なので、、間違っていたらごめんなさい。なお、過去の解答・解説は、「応用情報・午後・ストラテジ系を解く(まとめ) - あしのあしあと」にまとめている。相変わらず、過去に問われた内容が、繰り返し出題されている。

設問1 [ a ] コアコンピタンス(確実に正解したい)

いずれの肢も重要なワードなので、覚えておきたい。

■エ

設問1 [ b ] マーケティングの基本(確実に正解したい)

[ b ] は、次の2箇所に出てくる。これらから「消費者の調査」と「製品ニーズの調査」のことだとわかる。

  • 製品戦略を立案するに当たり、…家計への影響や多様な製品ニーズの [ b ] 調査
  • [ b ] 動向の調査や他者との競合分析

■マーケット(5字)
■市場(2字)

設問1 [ c ] ブランド戦略に関する用語(正解できなくても仕方ない)

ブランド戦略の(1) ポジショニング、(2) パーソナリティ、つまり、ブランドポジショニング(ブランドをどこに位置付けるか)、ブランドパーソナリティ(ブランドにどんな個性を持たせるか)と同列で、これらに続く用語を選択する。
12ページの(3)にある『どのように認知させ、ブランドとしてどのように育てるか』もヒントになる。

  • ア. ×:ブランディング ⇒ ブランドを創ること。(1)や(2)を包含する大きな概念(だと理解している)
  • イ. ×:ブランドアイデンティティブランディングのコアとなる概念。パーソナリティやプロミスは、アイデンティティをコアとして生み出される(と理解しているのだが、自信はない)
  • ウ. ×:ブランド再生 ⇒ いくつかの手がかりのみから、ブランドの記憶を再生できること
  • エ. ○:ブランドプロミス ⇒ ブランドにどんな価値を持たせるか。顧客への約束

■エ

設問2 (1) Y社の製品戦略(できれば正解したい)

下線➀『この製品戦略』の評価内容が問われている。消去法の方が解きやすいと思う。

  • ア. ×:『X社が製品販売していない消費者市場』とあるが、Y社は、X社と同じマーケットに新製品を投入している
  • イ. ×:『X社を模倣した戦略』とあるが、Y社は、大人向けに味のバリエーションを増やすなど、X社とは異なる製品戦略をとり、販売シェアを拡大させた(業界トップのX社と、業界2番手のY社なので、Y社がフォロワーの戦略をとっていても、おかしくはないが)
  • ウ. ○:X社のように『子供から大人までを対象』とせず、大人向け、子供向け、それぞれに対象を絞っている
  • エ. ×:『販売経費の低減によって製品価格を下げる』とあるが、本文中に『製品の量を減らして販売価格を下げた』とある。製品のバリエーションが増えているため、販売経費は、むしろ増えていると考えられる

■ウ

設問2 (2) ブランド構築が重要な理由(できれば正解したい)

下線➁で、Y社への対抗上から新たなブランド構築が重要であると考えた理由が問われている。ということは、新たなブランド構築がなければ、Y社に対抗することが難しくなるということ。なぜか?
ここで、『Y社の製品戦略に注目』する。Y社は、味や量など、きめ細やかな製品戦略によって、販売価格を下げ、販売シェアを拡大させた。このまま、X社が新たなブランドを構築せずに、Y社と同様な製品戦略をとると(同質化)、業界1位と2位で、激しい価格競争になり、利益が減少してしまうと予想できる。

■X社が、Y社と同質な製品戦略をとると、Y社との価格競争が激化するから(34字)

設問3 (1) 自社の製品間の競合(確実に正解したい)

下線➂の、自社の製品間の競合による売上減少の原因が問われている。いずれの肢も重要なワードなので、覚えておきたい。

  • ア. LTV ⇒ Life Time Value、顧客生涯価値。一人の顧客が企業にもたらす利益の合計(H21春に既出)
  • イ. PLC ⇒ Product Life Cycle、製品ライフサイクル。製品は、導入期→成長期→成熟期→衰退期と、4つの段階を経る
  • ウ. カニバリゼーション ⇒ 自社のブランド同士が競合し、市場の共食いが発生すること(H24秋に既出)
  • エ. シナジー ⇒ 相乗効果(H24秋、H21春に既出)

■ウ

設問3 (2) ブランドの効果(できれば正解したい)

下線➃のネーミングとパッケージに、期待した役割(他社との対抗以外)が問われている。他社のことを問われているのではなく、顧客や自社のことを問われている。下線➃の直前に『健康志向の高級感を消費者に連想させる』とあるので、このような連想により、価格プレミアム効果(他社の同等な製品より高く出す)や、ロイヤルティ効果(自社の製品を繰り返し購買する)が期待できる。
顧客の観点で最もシンプルに答えると、「健康志向の高級感を消費者に連想させるという役割(23字)」のようになる。自社の観点だと、例えば「ブランドを発信し、ブランドエクイティを高める役割(24字)」のようになる。いずれの解答でも、得点にはなると思う。自分は、最終的には、顧客の観点で、ロイヤルティを高める効果まで言及した、次の解答を選んだ。

■高級感等を連想させ、顧客のロイヤルティを高める役割(25字)

設問3 (3) 顧客のロイヤルティの影響力(できれば正解したい)

下線➄の近く『後者』=『ファンづくりの活動』である。これにより、次の3つの影響があるが、その3つ目が問われている。

  • ブランドの強化
  • 製品そのものの強化
  • [ ? ] ← 大きな影響力がある

「口コミ」でしょ、きっと(H26春に既出の論点)。口コミは、➀友人や知人からの実例に基づく情報であるため、情報の信頼度が高く、さらに、➁広告と異なり、送り手が無意図であるため、その情報を受け入れやすい。

■口コミによる宣伝効果(10字)

設問3 (4) ファンづくりに必要な機能(できれば正解したい)

下線➅の『この声を実現する機能』が問われている。ここで、『この』=『ファンが自らの利用経験を誰かに伝えたい、逆に、誰かの利用経験を聞きたい』である。つまり、次のような機能が必要である。

  • 利用経験を誰かに伝えたい ⇒ 「投稿」
  • 誰かの利用経験を聞きたい ⇒ 「検索」

クックパッドなどを連想できると、解答しやすいかと。

■ユーザが、料理レシピや製品評価などを投稿・検索できる機能(28字)