最初から言い訳だが、体調が微妙だったので、勉強時間をかなり制限していた。さらに、先日の面談で、カウンセラーに、勉強時間にキャップをかけられてしまった。なので、直前期も、あまり勉強せず。そんな状態で、(それでも合格を狙って)試験を受けに行った。
しかしこの、「試験前」とか「試験直前」っていうのは、なんともイヤ〜な気持ちになる。こればっかりは、何度試験を受けても、慣れない。
で、試験の話。問題を解く順番などは、最初から決めていた。ま、みんなそうか。
最初の90分で論述(問題Ⅲ、Ⅳ)をこなし、残りの60分でマークシート(問題Ⅰ、Ⅱ)をこなそうと思っていた。理由は、論述には「足きり」がある(50%を切ると不合格)から。「論述問題は、完全にはわからなくても、わかった範囲で何か書こう」と考えており、そのために、長文を書く時間を100%確保しておくことが必要だと思っていた(最悪、シワ寄せは、問題Ⅰに)。で、実際この通りにタイムマネジメントできた。悩んでいる時間的余裕はないので、次から次へと、せわしなくこなしていった。結果、時間が10分程度も余った。ちゃっちゃかやりすぎたかも。ただ、あまりにも疲れてしまったので、見直しとかできなかった。
さて、以下で、受験したときの感覚や、振り返りなどをメモしておく。具体的には、各設問の「出来」を、次の3段階で評価し、各設問について感想などを、つれづれなるままに書いていこうかと。
- ○:たぶんできている。希望も込めて
- △:できているとは思うのだが、、間違っていても仕方がない
- ×:できていない。まずできていない。完全に間違った
問題Ⅰ(理論:マークシート)→ 最も苦手な問題。論述が大変かと思いきや、ココが鬼門
問 | 出来 | コメント | |
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1 | ディスクロージャー | ○ | 苦手分野の筆頭。2級レベルの知識しか持っていないので、過去問ではボロボロだった。でも、今回は易しい。会社法の大会社の定義と、有価証券報告書と計算書類の位置づけ。絶対に落とせない。落としていないことを祈る |
2 | リース会計(応用論点) | × | 決して苦手ではないものの、難しい。いいところまでいったのだが、完璧には思い出せなかった。肢が「リース資産の重要性が乏しい場合」、「セール・アンド・リースバック」、「転リース」。税理士簿記論や日商簿記検定1級(商会)を凌駕する試験範囲。ここまで出しれくるんだよなぁ |
3 | ヘッジ会計(繰延ヘッジ、金利スワップ) | ○ | 易しい。ヘッジ会計の目的と、繰延ヘッジの処理方法がわかれば正解できる。ヘッジ会計も苦手分野の一つだが、これならいけたかも。公式テキストP.83あたり |
4 | 生産性の分析(付加価値の計算) | ○ | これ、ひっかけだよね?連結損益計算書の本体からは、人件費を引き出せないよって論点だよね?あっていてほしい。公式テキストP.297あたり |
5 | 税効果会計(応用論点) | × | 全くわからなかった。手も足も出ず。対策講座で税効果を詳しく取り扱ったのは、マークシートで2題、論述で1題の、計3題も出題される予定だったからなのか。完全に勉強不足 |
6 | 加重平均資本コスト(WACC) | × | 診断士のとき、さんざんやったのに、間違えてしまった。WACCを算定するときに使うのは、有利子負債だけに決まってるじゃない。問題Ⅱで、そうやって計算しているのに。。これはくやしい。公式テキストP.365あたり |
7 | 会計方針の変更 | ○ | 易しい。たぶんいけてる。ひっかけがあったらダメだが、なければサービス問題。ちなみに、試験関係ないんだけど、簿記にあまり面白味を見いだせない傾向にある自分でさえも、遡及適用の仕訳には感動した |
8 | 日本の会計基準 | ○ | まぁまぁ難しい。が、偶然あってそう。公式テキスト第4章(概フレなど)は捨てていたので、正解できたのは(色々思考はしてみたものの)ほぼ運 |
9 | EV/EBITDA倍率 | ○ | 易しい。公式と、公式の意味を覚えておけば、確実にとれる。そして論述対策で、みな公式を覚えているものと思われる。あ、でも今回は、企業価値分析が論述で出題されないっぽい年か(隔年で出題されているから) |
問 | 出来 | コメント | |
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1 | 金融資産(決算) | △ | 有価証券はさくっと仕訳がきれる(総合問題には必ず出てくるから、飽きるほど仕訳を書いた)。「デリバティブ取引によって生じる正味の債権は、時価評価の対象」という論点は、公式テキストの例題にもあったし、過去問でも出題されている。が、いかんせん練習量が少ないので、デリバティブの取り扱いは、自信をもってとはいかなかった |
2 | 税効果会計 | ○ | 対策講座でもらった問題集に類題があった。普通に仕訳きればよい。その他有価証券評価差額金を計上したときには、法人税等調整額は計上されないところが、ひっかけっぽいところか。ひっかけってほどでもないか |
3 | 棚卸資産(期末評価) | ○ | 対策講座でもらった問題集に類題があった。トレーディング目的のモノの取り扱いと、正味売却価額が著しく下落しているが「臨時の事象に起因しない」モノの取り扱いがポイント |
4 | 生産性の分析 | ○ | 易しい。労働生産性、設備生産性、労働装備率の公式を暗記しておけばできる。いずれもイメージしやすく、覚えやすい指標。計算ミスさえなければ、絶対にあっている |
5 | 企業結合(吸収合併) | ○ | 易しい。普通の吸収合併。共通支配下でもなし、逆取得でもなし、抱き合わせ株式もなし。これは落とせない。対策講座でもらった問題集は、けっこう難しかったのだが |
6 | 営業レバレッジ | △ | 定義通り、素直に計算すればよいはず。損益分岐点比率(または安全余裕率)との関係までおさえられていれば、ばっちり。診断士のとき、さんざんやったので、いけてると思うのだが、、 |
7 | 負債コスト | △ | 難しくはないが、計算があやしい。最初は、有利子負債コストが問われていると勘違いしていたが、肢になかったのでセーフ。しかし、負債コストそのものの計算が出題されるとは、予想外だった |
8 | EVA(経済的付加価値) | ○ | これは計算がけっこう面倒。まず、EVAを求める公式を忘れていたら、最初からアウト。これを覚えている前提で、株主資本コストをCAPMで求めてから、WACCを求める。当然NOPATもおさえておかないとダメ。ちなみに、EVAあたりは、診断士では出てこないので、今回初めて学習した。確かに、当期純利益では、負債コストしか控除していない。株主資本まで考慮したEVAって考え方は、必然的に出てくるよなぁ、と思いながらテキストを読んだなぁ |
9 | 乗数アプローチ | ○ | 易しい。PER、PSR、PCFRの公式と意味を知っていれば、確実にとれる。診断士でも、ファイナンシャルプランナーでも、どこへでも出てくる有名な指標。まさか計算ミスってないだろうなぁ。こういうのが危ない |
問 | 出来 | コメント | |
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1 | 収益性の分析(指標の計算) | ○ | 易しい。売上高営業利益率や売上高経常利益率など、オーソドックスな指標ばかり。3級レベルなのでは?ミスさえなければ、全問あっていると思う。診断士のとき、さんざんやったし |
2 | 収益性の分析(指標の計算と分析) | △ | 求める指標は、売上高利益率、回転率など様々。純資産当期純利益率の分析は、これまで計算した指標に分解できそうでなかったので、デュポンシステムを使って分解し、分解された各要素について書いた |
3(a) | CVP分析(費目別法による計算) | ○ | 易しい。費目別法で、固定費と変動費率を計算し、損益分岐点などを求めるだけ。営業利益まで見られればよいので、費目もそんなに多くない |
3(b) | CVP分析(営業利益の変化の計算) | ○ | 易しい。売上高が減少したときの営業利益を計算するだけ。固定費も変動費率も既出なので、すぐに計算できる。まさか、ミスしてないよなぁ。でも、試験全体を通じてノーミスってわけにもいかないんだろうなぁ、、 |
3(c) | 損益構造や資本構成が業績や安全性に与える影響 | △ | そこそこ難しい。「売上高が減少した場合、損益構造や資本構成が、業績や安全性に、どのような影響を与えるか」について問われた。損益分岐点は、A社もB社も同じような位置にある。となると、損益構造は、固定費、変動費率の大きさの違い(A社は固定費大、変動費小。B社は逆)を書けばよい?それとも、総資産営業利益率の差が大きいことを書く?たしか、前者を書いた。資本構成は、負債比率を指標として挙げ、財務レバレッジについて書けばよい?少し迷ったが、他に思いつかなかったので、これをそのまま書いた |
3(d) | 損益構造が営業利益に与える影響 | △ | 「売上高が増加した場合、損益構造が、営業利益にどのような影響を与えるか」について問われた。ハイリスクハイリターンなA社と、ローリスクローリターンなB社を比較すればよさそう。このため、A社の方が、B社に比べて、営業利益の上がり方が大きいことを書いた。営業レバレッジまで書く余裕はなかった |
問 | 出来 | コメント | |
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1 | 安全性の分析 | ○ | 指標の計算に加え、分析まで書かなければならないが、それでも易しい。安全性の指標は、B/Sから求めるオーソドックスなモノのであり、計算は3級レベル。株主資本=純資産(新株予約権や少数株主持分もない)なので、ひっかけの要素もなし。短期の「流動比率や当座比率」、長期の「自己資本比率や固定比率」ともに100%を超えており、「安全性は高い」とすぐに結論がでる。シンプルな分析なので、2行くらいずつで書き終わってしまい、2行くらいずつ空白、、 |
2 | 経常収支比率の計算 | × | やっぱり、少しは面倒な計算を入れてくるのね。できたと思っていたのだが、経常的収入に、金融収入(利息及び配当金の受取額)をたすのを完っ全に忘れている(いつかやるんじゃないかとは恐れていたのだが)。トホホ。。計算だけは、確実に正解しておきたかったのに、、(涙) |
3 | 当期以前の業績 | × | 「当期以前の業績について、着目すべき項目を3点指摘しろ」とは、、難易度が高いこと。この会社、売上は立っているんだよね。で、パッと見、特徴的なのが、(1) 長期貸付金とその引当金が多額な点、(2) 利益剰余金がマイナス(かつ多額)な点、(3) 売上債権の増加額が大きい点か。他は、すぐには思いつかなそうだったので、熟考せず、これらについて、てきとうに書いた。はっきり言って、3つも書くと、スペースが足りない |
4 | 繰延税金資産の評価 | × | 「繰延税金資産の評価から、将来の業績についてわかること」が問われた。正直、ぜんぜんわからなかった。「税効果会計に関する注記」の資料が、何を意味しているのかさえ、明確にはわからなかった。なので、まったくもって取り付く島なしと。会社が黒字になれば、多額の繰延税金資産を計上ができるから、将来の税金の負担が減る?わからないので、そんな感じのことを書いた |
5 | 安全性評価の限界 | △ | 安全性指標による安全性評価の限界について問われた。これもよくわからなかったのだが、対策講座でもらった問題集に、類題があっような、、ほとんどふっとんでいたが。。結局、次の2つを書いた。(1) B/Sだけから計算した指標ではフローの情報が入らない旨、(2) 例として、P/Lベースのインタレスト・カバレッジ・レシオを挙げた。こんな感じで、後はてきとうに書いた |
やっぱり、問題Ⅰがまずいよなぁ。論述も最後の方、ぜんぜんダメだったし(一応、解答欄は全部うめたけど)。はっきりいって、落とされても仕方のない出来。。でも、うかっていてほしいなぁ。