やっぱりはまった取替投資

中小企業診断士1次試験「財務・会計」平成18年度の第15問。喫茶店で計算し、中華料理屋で計算し、、計算するたび、出てきた数値が選択肢にない(; ;)
そこで、頭を冷やして、試験時間とか気にせずに(もともと気にしてないが)、最初からじっくりと考えてみることにした。


問題の前半部分は次のようになっており、まぁ楽勝。


ココで学んだ「FCF(フリーキャッシュフロー)=営業利益×(1−実効税率)+減価償却=150×0.6+50=140万円」で一発(たな卸資産もないことだし)。
コツコツとやってもよいだろう。「税=利益×0.4=150×0.4=60万円」と出して、CIF(キャッシュインフロー)の500(売上)から、COF(キャッシュアウトフロー)である200(売上原価)と100(販管費のキャッシュ分)と60(税)を引いてもよい。


頭の整理のためにP/Lっぽい図を書くと、こんな風になる。
CIFからCOFを引いたブルーの箇所がFCFで、確かに「FCF=営業利益×(1−実効税率)+減価償却費」になっている。



さすがにさくっといった。


問題の後半部分は次のようになっており、ココでつまずいた。


図では、旧設備を赤で、新設備を緑で表そう。
まず、減価償却費の計算は簡単。さすがにココは大丈夫で、次のようになる。


で、この時点で、「+200(売却によるCIF)−600(取得によるCOF)+48(売却損120の節税分)=−352万円」でしょ、みたいに(あっさりと正解に)なるはずだったが、、そうはいかなかった。旧設備の減価償却費90万円だけをムダに考慮していたり、売却収入を利益に加算して税金を増やしていたり、アホなことをいっぱいやっていた。何度計算しても合わないわけだ。
もう二度とわからなくならないために、曖昧にしていたことを再度整理する。

  • 減価償却費 ⇒ キャッシュは動かない。P/Lの売上原価や販管費なので、利益は動く
  • 売却収入/取得支出 ⇒ キャッシュのみ動く。B/Sの有形固定資産(機械、備品など)が現金・預金などに換わるだけで、利益は動かない。売却損益があって初めて、その分だけ利益が動く
  • 売却損益 ⇒ キャッシュは動かない。P/Lの特別損益なので、利益は動く


さらに、これを踏まえ、問題の状況をじっくりと整理する。図の上の段は旧設備を使い続けた場合、まん中の段は新設備に取り替えた場合、下の段はこれらの差分を表している。


この時点でようやく、上の「+200(売却によるCIF)−600(取得によるCOF)+48(売却損120の節税分)=−352万円」でしょ、となった。
この問題は、コレでおしまい。実際には、取替投資によって年々の操業費なども変わる。これらをあわせ、資本コストで現在価値に割り引いて、NPV(正味現在価値)が正であれば採用するといったところだ。
今度こそおっけ。

2012/09/12追記

一部、間違いを訂正した。