「プリズンホテル」が面白い

ここのところ、行き帰りの電車の待ち時間と電車での移動時間、昼食が出てくるまでの時間を、浅田次郎氏の「プリズンホテル」で楽しんでいた。氏の小説は、いつぞやの沖縄出張の時に読んだ「壬生義士伝 上 (文春文庫 あ 39-2)」、「壬生義士伝 下 (文春文庫 あ 39-3)」以来だ*1
そして今日、ついに4冊目を読み終えてしまった。

このところ読んだ小説の中では、ダントツで面白い。最高のエンターテイメント。人が傷つくストーリーも、人が亡くなるストーリーも嫌い(というか夜にうなされる)なので、ミステリーを始め、かなりの小説が読めない自分だが、この小説は大丈夫だった。なのに、すごい人間模様。時に面白おかしく、時にシリアルに描かれている。同時並行で進む、複数の人々のドラマが、少しずつ交わっていく。その1つ1つが十分に面白く、さらにそれが伏線となって、後半は怒涛の面白さが味わえる。緻密に練られた舞台脚本のようだ。
笑えて泣けて、行き帰りが楽しみだったのは、本当に久しぶり。多謝。

*1:この頃は、自分の中で“幕末ブーム”が旋風していた。