(続)情報セキュリティスペシャリストの対策本

ようやく出版されたようだ。

情報セキュリティスペシャリスト完全合格対策〈2010年版〉

情報セキュリティスペシャリスト完全合格対策〈2010年版〉

2009年度の秋期の問題と解説も入っている。
私は、2009年度の春と秋の、午後Iの解説を担当した。午後Iについては、2009年度の秋に次のような変化があった。

  • これまで要素技術に関する出題(例えば、バッファオーバフロー、XSSSQLインジェクション、電子メールプロトコルIPSecと暗号技術など)が目立ったが、設計や運用に関する出題が増え、総合力(重要な概念や技術の理解と、国語力)が問われるようになった
  • これまで対話形式だった問題文が、説明文の形式に変わった。本質的にはあまり変わっていない


このような傾向においては、次のような基本事項の理解が、ますます重要になる。特定のセキュリティ技術に詳しくても合格できなくなるし、ネットワークやシステム管理の基礎知識と国語力があれば合格できたりする。

午後問題を解く前に、これだけはおさえよう
  • リスクアセスメント
    • 「リスク」=「資産」の価値×「脅威」の大きさ×「脆弱性」の程度
  • リスクへの対応
    • 「資産」の「CIA」を確保するための「対策」

CIA

  • 機密性(Confidentiality)
    • キーワード(脅威):不正アクセス全般、盗難、盗聴など
    • キーワード(対策):アクセス制御(認証、認可)、暗号化など
  • 完全性(Integrity)
    • キーワード(脅威):不正アクセス全般、改ざんなど
    • キーワード(対策):アクセス制御(認証、認可)、デジタル署名など
  • 可用性(Availability)
    • キーワード(脅威):DoS攻撃DDoS攻撃、破壊、消去など
    • キーワード(対策):冗長化、負荷分散、バックアップ・リストアなど

対策の観点

  • 予防*1
    • 抑止:相互牽制により脅威の発生を減らす
    • 予防:脅威を避ける、脆弱性を減らす
    • 防止:脆弱性を減らす
  • 検知
    • 検知:脅威または脆弱性を早く発見し、対応する
    • 回復:早くあるべき状態に復旧する


ま、現実ではなく、あくまでも試験だ。

*1:抑止と予防を明確に区別せず、予防(抑止)、防止、検知、回復の4つの観点とする場合がある。また、予防と防止を明確に区別せず、抑止、予防(防止)、検知、回復の4つの観点とする場合もある